バルセロナ近辺にあるペネデス地区がワイナリーでよく知られています。なだらかな丘にブドウの木が地平線まで続いています。ブドウを収穫する時期は、8月中旬~10月頃だけですが、一年中、家族経営の小さなワイナリーから大規模なワイナリーまでの見学が可能です。優秀なワインやカヴァの作り方、カタルーニャの在来種などが親しくなるでしょう。おすすめのワイナリー見学、ペネデス地区の観光情報、1日モデルコース、老舗ワインショップ、アクセス等をまとめました。
目次:
ワインを作る時:
夏の終わり頃に収穫されたブドウを圧搾し、ブドウ果汁が得られます。アルコール発酵させた後に、樽やタンクに詰めて熟成させます。ろ過して、澱を除いたワインを瓶詰します。ワインは瓶内でも熟成が進むので、時間が経てば経つほど優秀なワインになります。
専門用語:Crianza は樽で半年、Reserva は樽で1年、Gran Reserva は樽で1年半ワインを寝かせます。
スパークリングワインを作る時:
夏の終わり頃にブドウを収穫します。ブドウを圧搾し、ブドウ果汁が得られます。ステンレスタンクで1次発酵させます。様々なベースワインを混ぜ(クパージュ)、イーストを加え、瓶詰めします。地下道で熟成させ、少しずつアルコールと炭酸ガスが発生します(2次発酵)。瓶を売る前に澱を除き、リキュールを加え、コルク栓を置きます。
カバ?シャンパン?:
カタルーニャのスパークリング・ワインは、カバ Cava と言います。以前カタルーニャのスパークリングワインも「シャンパン」と呼ばれていましたが、1970年代に法律が変わり、「シャンパン」が「カバ」になりました。カタルーニャ語では「カバ」は地下道を意味します。
カバにしてもシャンパンにしても同じ作り方です。
ビラフランカ・ダル・パナデス市の近くにあるトレース社では、トロッコ列車に乗り、イヤホンを聞きながら、トーレス社のブドウ畑を走ります。近くから見えるブドウは、「カベルネ・ソーヴィニョン」、「モナストレル」、「ガルナチャ」等です。
ワインを寝かす樽がたくさん並んでいる「ワインのカテドラル」という建物に入ります。その後、トロッコ列車からモダンなブドウ搾り、ブドウ果汁が入っているタンク、ワイン醸造学者が働く建物、瓶詰めラインなどを見学します。
ワイン・テスティングが楽しめる部屋に入り、お好きなワイン(赤ワインまたは白ワイン)を味わいます。試飲後に、トレース社のお店で、「コロナス」、「グラン・コロナス」、「サングレデトロ」、「ビニャソル」などのワイン、コルク抜きなどを買うことが出来ます。
Miguel Torres トーレス社 |
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Finca Mas la Plana s/n, 08796 Pacs del Penedès |
公式HP:トーレス社 |
ワイナリー見学には、予約が必要。 |
数年前にトーレスのレストランがオープンしました。ブドウ畑を見ながら、昼食してみませんか?
サン・サデュルニ・ダノイア市は、カタルーニャのスペークリング・ワインでよく知られています。
カタルーニャのスパークリング・ワインは「カバ」と呼ばれています。カバを作る会社が40軒ほどありますが、コドルニュー社の見学をおすすめします。
19世紀の終わり頃にコドルニュー社の建物が、建築家ジュゼップ・プッチ・イ・カダファック(ガウディのライバル)によってデザインされました。豪華なアール・ヌーヴォー様式の建物です。
コドルニュー社は、約2100ヘクタールのブドウ畑で、ブドウ5種類を栽培しています:マカベウ、シャレロー、パレヤダ、シャルドネとピノノワール(マカベウ、シャレローとパレヤダは、カタルーニャ在来種)。
見学が始まると、映画で1551年に創立された「コドルニュー社」が紹介されます。
その後、専属ガイドと一緒にミュージアム(古いブドウ絞り器や樽)に通って、地下道に入ります。
トロッコ列車を使い、地下道を一周します。季節が変わっても、地下道の温度や湿気が変わりません(15度ぐらい)。
カバ・テスティングが終ったら、ワイン・ショップに寄り、見学は終了です。
Codorniu コドルニュー社 |
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Caves Codorniu, Avda Jaume de Codorníu s/n, 08770 Sant Sadurní d'Anoia |
公式HP:コドルニュー社 |
ワイナリー見学には、予約が必要。 |
パネデス地区(Penedès)の大きな町が、ビラフランカ・ダル・パネデス市とサン・サデュルニー・ダノイア市です。
バルセロナの60キロ西にあるビラフランカ市は、パナデス地区の最も大きな町(人口4万人、標高:223m)です。赤ワインや白ワインを作るワイナリーがとても多いです。
ビラフランカ旧市街にある名所は、サンタマリア教会(カタルーニャでは、最初に造られたゴシック様式の教会)、中央広場、豪華な市役所、裏側の細い通り、文化ミュージアムとワイン・ミュージアムです。
年に数回、賑やかなお祭りが開催されます:7月には、ビ・ジャズ祭り(ジャズとワイン!);8月中旬には、「フェスタ・マジョール」;11月1日には、トッツ・サンツ祭り。 特に、8月中旬のお祭りが、メイジャー祭りで、人間の塔、巨人人形、花火などが楽しめます。3日間のフェスタ・マジョール祭りが終ると、ブドウの収穫は始まります。
ビラフランカのおすすめのレストラン/バル:
■ Casino
■ Restaurant Casa Joan
■ Ibericus
☆ ビラフランカ・ダル・パナデス観光局、公式HP:
www.turismevilafranca.com/
カタルーニャ地方のシャンパンは「カバ」という名前で売られています。
カバの生産地は、バルセロナから簡単に行けるサン・サデュルニ・ダノイア という町です。
サン・サデュルニ・ダノイア市(人口1万2千人、標高:160m)には、カバのボデガ(ワイナリーのこと)が多く(40軒以上もあり)、見学が出来ます。しかし、予約なしで見学できるボデガが少ないです。5軒を紹介しましょう。
ところで、サン・サデュルニ・ダノイア市には、見学できる Simón Coll というチョコレートファクトリーも有ります!
Caves Codorniu |
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ブドウ畑に囲まれているコドルニウ社のボデガは、オススメのワイナリーです。 町から少し離れていますので、タクシーに乗り、駅から12.00ユーロぐらい(片道)かかるでしょう。 このボデガは、カタルーニャ出身のジョゼップ・プッチ・イ・カダファック建築家に建てられましたので、受付と古いボデガの建物は、素敵なアール・ヌーヴォー様式です。 1551年に創立されたコドルニュー社は、17人に渡る血縁後継者で後を継いでいましたが、2018年に米国の会社の所有物になりました。 見学の初めに短いビデオが有り、その後、専属ガイドと一緒にボデガを訪れます。 平日は9時から17時までで、週末は9時から13時まで見学が出来ます。 www.codorniu.com/ |
Caves Blancher |
Blancher ボデガは、サン・サデュルニーの中心地に有り、見学は、土・日・祝:11時00分~、12時30分~。 |
Caves Freixenet |
フレシネ・ボデガは、サン・サデュルニ・ダノイア駅のすぐそばにあります。きれいな庭に昔の配達トラックなどが展示されています。 月曜日から木曜日まで、11時~、12時~、13時~、16時~と17時~の見学、 オンライン予約が可能:
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Caves Gramona |
1881年に創立されたワイナリーで、「神の雫」マンガ、および「池上彰の現代史を歩く」テレビ番組に出てくるワイナリーです!小さなワイナリーですが、見学が楽しいです。ブドウ畑150ヘクタールを持っていて、主にシャレロー、シャルドネ、ピノノワールとマカベウを栽培します。 |
Caves Recaredo |
1924年にジュゼップ・マタ・カパヤダスが、レカレド社を創立しました。現在、シャレローをたくさん栽培しています。エコ栽培を応援しています。 |
サン・サデュルニーのおすすめのレストラン/バル:
■ Cal Ticus
■ El Cafè de la Plaça
■ Taps de suro
■ Cal Feru eno·botiga
サン・サデュルニ・ダノイア市の他のボデガは、お店を中心にしたボデガなので、見学は出来ないところが多いです。
一般の営業時間は9時 or 10時から夕方の17時 or 18時までです。但し、13時から15時まで、昼休み(シエスタ)のため、閉まっています。
☆ サンサデュルニダノイア市、観光局のHP:
www.santsadurni.cat/turisme
■ バルセロナ・サンツ駅から R4 号線、サン・ビセンス行きの電車に乗る。Sant Sadurni 駅で下車。
1日に38本、所要時間:45分。
チケット代(カタルーニャ郊外電車、ゾーン4)
■ バルセロナ・サンツ駅から R4 号線、サン・ビセンス行きの電車に乗る。Vilafranca del Penedes 駅で下車。
1日に38本、所要時間:55分。
チケット代(カタルーニャ郊外電車、ゾーン5)
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